
私たちのからだは、ホコリや細菌などが体内に侵入しないよう防御する機能をもっています。
「痰」もその一つです。
気道内の分泌物や外界から侵入した異物(細菌やホコリなど)を外へ排出するための生理的な防衛反応です。
痰とは、ウイルスや細菌、ホコリ、剥離した細胞などが混じった滲出液や気道内の分泌物です。
健康体であれば、「痰は出ない」と思っている人も少なくありません。
しかし、健康体であっても、体内では1日に約50mlの痰ができているのです。
その痰は95%が水分なので、排出される前に気道で再吸収されるため、痰として体外には出てこないのです。
一般的に、痰の色は「透明・白」ですが、細菌に感染したりすると、黄や緑など色のついた痰が排出されます。
痰は、単なる不要物と安易に受けとめてしまうのはNGです。
体内に重大な病気が潜んでいる警告かもしれません。
今回は、痰が出る原因や痰の色から疑われる病気について詳しくご紹介いたします。
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Contents
- 1 3週間以上痰が絡む咳がでたら要注意!
- 2 痰の色や濃度で病気がわかる?
- 3 痰がでてとまらないときに疑われる病気は?
- 4 痰の色と化膿度から疑われる病気の原因や症状は?
- 4.1 ■透明で粘々した痰が伴う「急性咽頭炎」かも・・・
- 4.2 切れの悪い絡みつくような透明の痰は「急性喉頭炎」かも・・・
- 4.3 透明で水のような痰は「急性気管支炎」かも・・・
- 4.4 息苦しさの後に大量の痰がでるときは「気管支喘息」かも・・・
- 4.5 起床時に大量に排出される膿性の緑色の痰は「気管支拡張症」かも・・・
- 4.6 悪臭を放つ緑色の痰は「肺膿瘍」かも・・・
- 4.7 黄色がかった緑色の痰は「慢性気管支炎」かも・・・
- 4.8 赤っぽい(血液混じり)泡状の痰は「肺水腫」かも・・・
- 4.9 風邪やインフルエンザに続いて起こる咳や血痰は「細菌性肺炎」かも・・・
- 4.10 だるい、疲れる、膿性の痰が出続けるときは「肺結核」かも・・・
- 4.11 抵抗力が落ちているときに発現する血痰は「肺真菌症」かも・・・
- 4.12 頑固な咳や血の混じった痰の症状が続くときは「肺がん」かも・・・
- 5 まとめ
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3週間以上痰が絡む咳がでたら要注意!
痰を伴う咳の場合、喘息、気管支拡張症、副鼻腔気管支症候群など、様々な病気の可能性があります。3週間以上痰を伴う咳が出る場合は、これらの病気を疑って早急に病院で診察を受けることをおすすめします。
特に長期にわたって喫煙をしている人は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症している可能性があります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコの煙によって肺が傷つき、痰や咳、息切れといった症状が慢性的に現れます。
また、8週間以上痰や咳が続く場合は、稀に結核、肺がんなど重度の病気が関わっている場合もありますので、早期に呼吸器内科を受診しましょう。
痰の色や濃度で病気がわかる?
痰は、感染した病原体などによって色や粘度が変わります。痰の代表的な色としては、
・透明/白
・薄黄色/黄色
・黄色がかった緑色
・血液が少量混ざった薄赤色/血の塊に近い赤色
などがあります。
また、痰の化膿度としては、
・粘り気がある痰
・粘り気がない痰
・膿の混じった痰
・血の混じった痰
など、いろいろな種類や症状があります。
上記のように、一口に「痰」といっても、色や可能度が様々です。
炎症が強くなるにつれて、痰の色は濃くなります。
このように、それぞれの痰の状態によって、病気の可能性を判断する目安にもなります。
痰がでてとまらないときに疑われる病気は?
痰が発生する代表的な病気を挙げてみましょう。・急性咽頭炎
・急性喉頭炎
・急性気管支炎
・気管支拡張症
・気管支喘息
・肺水腫
・肺膿瘍
・肺結核
・肺真菌症
・肺がん
・慢性気管支炎
など、痰には様々な病気の可能性があります。
痰の色と化膿度から疑われる病気の原因や症状は?
まずは痰の色と化膿度から判断できる病気の一覧を参照してください。痰の色 | 化膿度 | 疑われる病気 |
---|---|---|
透明・白 | 粘り気がなく水様 | 急性気管支炎(初期) |
肺水腫(初期) | ||
粘り気のある痰 | 急性咽頭炎 | |
強い粘り気のある痰 | 急性喉頭炎 | |
気管支喘息 | ||
薄黄色・黄色 黄色がかった緑色 | 粘り気のある痰 | 急性気管支炎 |
粘り気のある痰 | 慢性気管支炎 | |
膿の混じった痰 | 気管支拡張症 | |
悪臭を放つ膿性の痰 | 肺膿瘍 | |
膿の混じった痰 | 肺結核 | |
赤色・薄赤色 | 血が混じった泡状の痰 | 肺水腫 |
線状に血が混じった痰 | 気管支拡張症 | |
血が混じった痰 | 肺膿瘍 | |
頻度の少ない血痰 | 細菌性肺炎 | |
血痰 | 肺結核 | |
肺真菌症 | ||
肺がん |
ただし、上記の表だけを参考にせず、疑われる病気の原因や症状を必ず知ってください。
痰には、急性気管支炎のように、症状が進むにつれて痰の色が変化するものもありますので注意が必要です。
それでは、それぞれの病気について見てみましょう。
■透明で粘々した痰が伴う「急性咽頭炎」かも・・・

急性咽頭炎は、喉に炎症が生じた疾患です。
急性咽頭炎の大半は、風邪の一つの症状として現れます。
急性咽頭炎の原因は?
主として、アデノウイルスやインフルエンザウイルスなどのウイルスや細菌の感染です。また、黄砂やPM2.5などが原因の一つに考えられています。
急性咽頭炎の症状は?
初期症状は、鼻から喉にかけての乾燥感と咽頭がつかえているような異常感です。その後、喉に痛みが生じ、次第に食べ物を飲み込むことが辛いほどの痛みが現れます。
喉の炎症によって高熱が続き、透明で粘々とした痰が排出されます。
チェックポイント
口を大きく開けて鏡に映してみると、喉が赤く腫れ、ツブツブが見えます。扁桃の部位も赤く腫れて、白いコケのようなものがついていることもあります。
切れの悪い絡みつくような透明の痰は「急性喉頭炎」かも・・・

急性喉頭炎は、喉(喉頭)の粘膜に炎症が起こって発生する疾患です。
咽頭炎や鼻炎に引き続いて起こる場合が多くみられます。
急性喉頭炎の原因は?
原因の大半は、アデノウイルスやインフルエンザウイルスなど風邪ウイルスです。細菌感染や黄砂、PM2.5などが原因になることもあります。
急性喉頭炎の症状は?
急性喉頭炎の多くは、風邪から起こり、声枯れや喉がいがらっぽくなり、咳や痰が出ます。痰は透明又は白っぽい色をしていて、とても粘々しており、痰が切れにくく、絡んできます。
喉頭の炎症が強くなると、喉に痛みを生じ、発熱することもあります。
チェックポイント
急性喉頭炎の場合、特に声帯が腫れるので、炎症が強くなると声を出しにくくなります。切れにくく絡む痰が出る、声が出にくいときは、蒸気吸入などがお勧めです。
透明で水のような痰は「急性気管支炎」かも・・・

痰の色が黄色に変わってきたときは要注意!
気管支炎は、下気道(喉頭・気管・気管支)に炎症が起こった状態を示します。
急性気管支炎は、風邪症候群やインフルエンザに併発して起こることが多いです。
急性気管支炎の原因は?
急性気管支炎を発症する大半の原因はウイルス感染です。ライノウイルスやアデノウイルス、インフルエンザウイルスなどが代表的です。
また、ウイルス以外では、百日咳菌やマイコプラズマなどがあげられます。
これらの病原体によって風邪症候群やインフルエンザなどに感染し、その後気管支炎を併発する場合が多いです。
急性気管支炎の症状は?
初期は、激しい「空咳」が出ますが、「痰」は伴いません。ところが、症状が進行するにつれて「痰」が現れます。
最初のうちは、透明又は白っぽい水のような痰ですが、炎症が強くなるに従って膿のような黄色い膿性のある痰に変わります。
気管支炎の主症状は、「咳」と「痰」ですが、咳によって胸骨の後ろ側に鋭い痛みが走ることもあります。
また、肩こりや手足の関節痛、下痢や嘔吐などがみられる場合もあります。
チェックポイント
急性気管支炎の場合は、1週間前後、長くても数週間で完治します。痰に黄色い色が付いてきたときは、症状が進行している警告ですから要注意です。
完治が難しい慢性気管支炎にならないうちに、早めの受診をお勧めします。
息苦しさの後に大量の痰がでるときは「気管支喘息」かも・・・

「咳」、「喘鳴(ヒューヒューゼーゼー)」、「発作性の呼吸困難」が発生している状態を気管支喘息といいます。
5歳以下の小児に多くみられますが、大人でも発病し、日本では全人口の3%前後の人が患っているといわれています。
気管支喘息の原因は?
気管支喘息にはアトピー型と非アトピー型があります。アトピー型の原因は、アレルギー反応です。
食品やダニ、ハウスダスト、ペットの毛などアレルゲンとなる物質を吸入することで発症します。
非アトピー型の原因は、気道のウイルス感染や、食品添加物や防腐剤の摂取、冷気、喫煙、薬物、ストレスなどがあげられます。
気管支喘息の症状は?
気管支喘息の発作は明け方に起こることが多いです。代表的な症状は「喘鳴(ヒューヒューゼーゼー)」「呼吸困難」「咳」「痰」です。
息苦しい状態が続いた後、咳とともに大量の痰が排出されます。
痰は、透明又は白っぽい色をしています。
粘り気が非常に強く、切れが悪い痰です。
痰が出始めると、呼吸は少しずつ楽になります。
チェックポイント
気管支喘息の発作は、時間帯だけでなく、季節の変わり目も要注意です。特に、夏から秋にかけて(8~9月)最も多くみられるようです。
季節の変わり目は体調が崩れやすいときでもありますが、喘鳴が大量の痰が排出されたときには気管支喘息が疑われます。
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起床時に大量に排出される膿性の緑色の痰は「気管支拡張症」かも・・・

気管支拡張症は、気道感染や炎症を何度も繰り返しているうちに気管支壁が弱くなり、半永久的に拡張している状態です。
気管支拡張症の原因は?
気管支壁が損傷を受けると、慢性的な炎症を起こします。通常、気管支壁は構造が丈夫に出来ていますが、炎症によって徐々に硬さと弾力性が失われ、たるんで(拡張)しまいます。
そこに拡張した部分に痰が溜まると肺に慢性感染を引き起こしてしまいます。
気管支拡張症の症状は?
気管支の拡張のレベルによって、症状は様々です。自覚症状が無い場合もありますが、一般的には、咳や痰、38℃以上の高熱、全身倦怠感などが現れます。
痰は、膿が混じって粘々の黄色がかった緑色をしています。
この膿性の痰が一日に10~100ml、多い時にはそれ以上溜まるといわれています。
痰は就寝中に溜まるので、起床時には大量の痰が排出されます。
気管支の炎症が強くなると、線状に血液が混ざった痰が出たり、喀血がみられることもあります。
チェックポイント
拡張した気管支に痰が溜まると、感染を引き起こし、肺炎を発症します。気管支拡張症の場合、膿性の痰、喀血、肺炎を繰り返し起こすことが多いそうです。
自然治癒は期待できません。
慢性的に起こる感染を防ぐための方法(痰を出すことを習慣づけるなど)などを医師から教わりましょう。
悪臭を放つ緑色の痰は「肺膿瘍」かも・・・

肺膿瘍は、細菌感染によって肺の一部分が化膿して壊死し、空洞になった部分に膿が溜まる病気です。
肺膿瘍の原因は?
代表的な原因菌は、バクテロイデスなど嫌気性菌です。肺炎球菌や黄色ブドウ球菌、緑膿菌などが原因となる場合もあります。
また、肺以外の部位から血液を介して病原体が肺に侵入することもあります。
これらの化膿菌が、肺に感染して肺膿瘍を引き起こします。
肺内に異物が吸引される、上気道が慢性的に感染している、気道狭窄がある、このような場合は肺膿瘍を誘発してしまいます。
肺膿瘍の症状は?
肺膿瘍の初期症状は、肺炎とよく似た症状で、寒気や発熱、咳、胸痛です。発症から1週間程度過ぎると膿性の痰が多量に排出されます。
痰は膿が混ざり、黄色又は黄色がかった緑色をしています。
症状が進行すると、血が混じった痰が現れたり、ときには喀血もみられます。
チェックポイント
肺膿瘍の多くは、適切な治療を受ければ治癒することができます。症状が進行する前に、医療機関で受診しましょう。
黄色がかった緑色の痰は「慢性気管支炎」かも・・・

1年のうち3ヶ月以上にわたって咳と痰が現れ、その状態が2年以上連続すると慢性気管支炎と診断されます。
慢性気管支炎の原因は?
慢性気管支炎の原因には長期的な喫煙や副鼻腔気管支症候群、びまん性汎細気管支炎に併発して起こります。また、ウイルスや細菌感染が原因で急性気管支炎を併発し、それが慢性化すると慢性気管支炎になります。
慢性気管支炎の症状は?
代表的な症状は「咳」と「痰」です。気道の炎症によって、気道内部が狭くなるため、息が苦しかったり、痰が絡んで排出しにくくなります。
痰は、膿性のある黄色がかった緑色をしています。
チェックポイント
慢性気管支炎は、専門治療が必要な病気です。しかし、咳や痰の症状を「タバコのせいかな?」程度に受けとめている人も多いようです。
長引く咳や痰がみられたときには、一日も早く医療機関で受診しましょう。
赤っぽい(血液混じり)泡状の痰は「肺水腫」かも・・・

肺水腫とは、血液成分が血管内から肺胞内にしみ出して、肺胞内で蓄積される病気です。
肺水腫は、薬物の過剰服用などでも起こりますが、大半は、心臓や肺に疾患があるために発生します。
まずは、肺水腫の原因となる疾患を見つけて治療を施すことが必須の病気です。
肺水腫の原因は?
肺水腫の原因の多くは、「うっ血性心不全」という病気です。心臓の機能が低下すると十分な血液が全身に送れなくなり、その結果、肺に血液が溜まってしまいます。
肺に血液が溜まると、その血液成分(主に血漿)が毛細血管を通って肺胞に入り、肺水腫を起こします。
その他、肺炎や肝障害、敗血症、膵炎、薬物の過剰服用、重度の外傷などでも発症することがあります。
肺水腫の症状は?
肺水腫の主な症状は、発作的な呼吸困難、息切れ、頻呼吸、喘鳴(ゼイゼイヒューヒュー)、窒息感、咳、痰などです。痰は、ごく初期には、透明な水様の痰がでますが、進行するにつれて、血液の混じった泡状の痰が排出されるようになります。
チェックポイント
肺水腫は、一刻も早い治療が必要な病気です。突然に呼吸困難が起こったときには、息がしやすいように、上半身を起こして(座位)あげ、早急に病院へ運びましょう。
風邪やインフルエンザに続いて起こる咳や血痰は「細菌性肺炎」かも・・・

細菌性肺炎は、細菌が肺胞に感染することで起こります。
高齢者など抵抗力の弱い人の場合、肺炎が広範囲に広がり、命の落とすことがあります。
現在、日本では三大死亡原因の一つにあげられています。
細菌性肺炎の原因は?
細菌性肺炎の原因菌には、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、クレブシェラ菌、化膿性溶連菌、レジオネラ菌、緑膿菌などです。中でも肺炎球菌が代表的です。
細菌性肺炎は、インフルエンザや風邪症候群に続いて起こることが多いです。
また、気管支拡張症や慢性気管支炎を患っている人がインフルエンザ菌によって肺炎を発症することもあります。
高齢者に多くみられる誤飲なども肺炎(嚥下性肺炎)を引き起こします。
細菌性肺炎の症状は?
細菌性肺炎の主な症状は、激しい悪寒と39度以上の高熱、咳、痰です。咳によって胸痛が起こることもあります。
痰は、頻度は多くありませんが、血が混じった痰が排出されることがあります。
気管支拡張症などを患っている人の場合は、血痰が多々みられます。
チェックポイント
インフルエンザに感染しても数日で回復に向かいます。ところが、いつまでも発熱や咳、痰が続くようであれば、肺炎を併発したかもしれません。
再度、医療機関で診察を受けましょう。
だるい、疲れる、膿性の痰が出続けるときは「肺結核」かも・・・

肺結核は、結核菌に感染することで発症する慢性の感染症です。
以前は死亡率の高い病気とされていた肺結核ですが、近年では抗結核剤によって「治癒できる病気」となりました。
しかし、死亡率は低下したものの、肺結核を患う人の数は、依然として多くみられます。
肺結核の原因は?
結核菌を保有している人の飛沫(咳やくしゃみによって飛び散る唾液)によって感染します。しかし、結核菌を吸い込んだからといって、すべての人が発症するわけではありません。
免疫力が低下しているときに発症します。
肺結核の症状は?
肺結核の初期は、無症状です。肺結核が中等度くらいに進むまで無症状のため、大半の人は、喀血や胸痛などの症状が現れるまで気が付かないことが多いようです。
症状としては、咳や痰、胸痛、喀血、呼吸困難、倦怠感、食欲減退、体重減少などがあげられます。
痰は、発病している間中、出続けます。
痰の色は、黄色がかった緑色をしていますが、重症度によって血性の痰が出たり、量や化膿度も変化します。
チェックポイント
肺結核は感染症ですから、感染予防のためにはBCGワクチン接種がお勧めです。風邪を引いたわけでもないのに食欲が出ない、だるい、常に疲労感がある、そのようなときには要注意です。
早めに胸部レントゲン検査を受けてみましょう。
抵抗力が落ちているときに発現する血痰は「肺真菌症」かも・・・

肺真菌症とは、肺に真菌(カビ)が感染することで発症する病気です。
真菌は、空気中など様々なところに存在していますが、健康体であれば、真菌を吸い込んでも発症することは殆どありません。
肺真菌症の原因は?
肺真菌症の原因菌は、アスペルギルス、クリプトコッカス、カンジダ、ムコールなどの真菌です。抵抗力が低下していたり、ステロイド剤などの連用をきっかけに真菌が増殖し、感染症を引き起こします。
肺真菌症の症状は?
咳や痰、発熱、胸痛など肺炎とよく似た症状がみられます。痰は、血が混じった痰のことが多いです。
重症になると、喀血したり呼吸困難に陥ることがあります。
チェックポイント
肺真菌症は、普通の肺炎よりも治りにくく、治療に時間を有します。肺真菌症を予防しようと思っても、真菌はあらゆるところに存在しているので、完璧な予防は不可能です。
抵抗力の弱い人は、地下室など真菌が好むような場所に出来るだけ近づかないようにしましょう。
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頑固な咳や血の混じった痰の症状が続くときは「肺がん」かも・・・

肺がんは、年々患者数が増加している病気です。
検診によって早期発見されることが多くなったものの、肺がんの半数以上は進行がんのことが多く死亡率も決して低くありません。
発症率は女性より男性のほうが多く、40歳~60歳代に好発しています。
肺がんの原因は?
確実な原因はわかっていませんが、喫煙が肺がんに大きく関与しているのではないかといわれています。また、大気汚染や塵の多い場所で働くなど職業汚染なども肺がんの発症に関係していると考えられています。
肺がんの症状は?
初期症状は咳と痰です。痰の状態は様々ですが、糸のような線状の血栓や微量の血液が混じった痰のことが多いようです。
胸部痛、声枯れ、首の浮腫みもしばしばみられます。
癌によって胸水が溜まると呼吸困難が起こることもあります。
チェックポイント
肺がんは進行してからでは、なかなか完治が難しい病気です。健康診断を進んで受けることをお勧めします。
風邪のような症状や発熱、空咳が長く続く場合は、風邪が拗れた程度に受けとめず、必ず医療機関で受診しましょう。
まとめ
「血が混じった痰」が出るとびっくりしますが、全部が全部、病気というわけではありません。鼻血が痰に混じってしまうこともあります。
しかし、「痰」の多くは、からだの中からのSOSです。
少なからずとも、血痰が出るということは気道や肺の一部分から出血している可能性があるということです。
これから「痰」を排出したときには、色や化膿度を確認しておきましょう。
「痰」は、医療機関で受診した時、診断の目安に役立ちます。
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