
膝を伸ばしたり曲げたりするスポーツを行っている人が
比較的多く遭遇する外傷が、『靱帯損傷』です。
その中で最も、
『膝内側側副靱帯損傷』
が起こりやすいと言われています。
『膝内側側副靱帯損傷』の起こりやすいスポーツには、
バスケットボール、
バレーボール、
サッカー、
スキー、
スノーボード
などがありますが、その他でも着地時やジャンプ時などにも
起こる可能性があります。
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膝内側側副靱帯損傷の症状
靭帯が切れると、はっきりと「ブチッ」や「バシッ」
という音が聞こえます。
そうなると一歩も動けず転げまわるほどの激痛が走ります。
ここまでくればはっきりと損傷していると自覚するのですが、
ズキッとなんか痛いなぁという程度の損傷の場合、
勝手に単なる膝の捻挫と判断してしまうことが多いです。
試合中であれば続行してしまう方もいますが、そのまま続けると、
本当に断裂する恐れがあります。
損傷した時の症状としては、関節に発熱、腫れ、痛みが生じます。
応急処置や緊急対処法は?
まず、スポーツなどをしていて「靭帯を損傷してしまったかな?」
と思った時には、すぐにRICE療法をとってください。
RICE療法
RICE療法とは、『Rest Ice Compression Elevation』
の頭文字をとったものです。
R:動かさないようにする
I:冷やす。
ただし、冷やし過ぎると凍傷になるおそれもあるので、
タオルで氷を包み、15分冷やして少し休憩を
数回繰り返すのがよいです。
C:圧迫をして腫脹を最小限の抑えましょう。
ただ、きつく巻き過ぎると血流の流れまで悪くなってしまうので、
少しきついかなと思うぐらいのところで止めてください。
E:心臓よりも高い位置に上げてください。
寝転がり、脚を椅子の上に奥などするのがベストです。
これにより、腫れを最小限に抑えることが出来ます。
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診察方法と治療法
病院につくと、不安定性を触診したり、X線ストレス撮影やMRIを用いて行います。
不安定性の触診では、右膝が損傷している場合、
膝の外側からと、足関節の内側からぐっと手で
抵抗を加えます。
腱側と比較し、不安定さがあれば内側側副靭帯損傷であると
わかります。
ただ、これだけではどの程度損傷しているかまでは、はっきりと
わからないので、X線ストレス撮影やMRIで損傷のレベルを
診断します。
レベルは、
Ⅰ度(痛みが少し)、
Ⅱ度(痛みが強く、靭帯は部分断裂)、
Ⅲ度(激痛、靭帯は完全に断裂)
に分けられます。
治療法としては、Ⅰ度かⅡ度の内側側副靭帯損傷だけであれば、
ギプスや膝用サポーターの装着で充分に完治させることが
できます。
しかし、十字靭帯損傷を合併している場合は手術が
必要なこともあります。
Ⅲ度になると、完全に断裂しているので手術が必要です。
復帰までの期間と、リハビリ方法や
Ⅰ度の場合は、痛みが完全になくなるまで安静にしていれば、1週間から2週間でスポーツ復帰が可能です。
ここで無理をすると悪化してしまうので、完全に
痛みが引くまで我慢です。
Ⅱ度の場合は、低周波療法(微弱な電気を膝に流し、その刺激で
筋肉を直接マッサージして血行を促進し自然治癒力を高める)を
活用したリハビリが必要となります。
1ヶ月ほどすれば軽いジョギングまでは出来るようになります。
その後は筋トレなどを徐々に行うようにしていき、2~3ヶ月で
スポーツ復帰が可能です。
Ⅲ度の場合は、手術もあるので2~3ヶ月ほどサポーターで固定し、
安静にする必要があります。
その後、低周波療法やサイドステップ、ダッシュ、筋トレといった
リハビリを始め、スポーツ復帰には半年ほどかかります。
まとめ
内側側副靭帯損傷は早期であれば必ず完治するものです。しっかりと治療して完治してからスポーツを開始すれば、
何も怖いことはありません。
運動していた人ほど、運動できなくなるのは辛いことです。
しかし、そこはぐっとこらえて、まずは膝を
休ませてあげてください。
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