火傷|熱傷(やけど)のヒリヒリ、水ぶくれ、火傷跡の治療方法は?

yakedo 熱傷には、自然治癒する程度の傷害もあれば、
医師による治療が必要な傷害もあります。

 

熱傷の度合いが高いにも関わらず医師の治療を受けないでいると、
治るまでに相当な時間を有してしまうことがあります。

顔面や四肢、会陰(陰部・肛門周囲)は、後遺症を残しやすいため、
専門的な治療が必要です。

 

傷痕や後遺症を最小限に抑えるためにも、
早い段階で受診しましょう。

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やけどの治療

熱傷Ⅰ度の場合

天ぷら油が弾いて飛んだ、アイロンに一瞬肌が触れた・・・

 

この程度の皮膚表面の火傷なら、日にち薬で治癒します。

瘢痕を残すこともありません。

 

皮膚を乾燥させないように注意しましょう。

ヒリヒリとした痛みがあるときは、軟膏を塗ります。

市販の軟膏を買う場合は、火傷対応で、ステロイドを
含有していない軟膏がお勧めです。

 

ステロイドは即効性がありますが、免疫力が低下したり、
稀に副作用がみられます。

薬剤師に相談し、火傷の症状に合った軟膏を選びましょう。

 

熱傷Ⅱ度(浅達性)の場合

熱傷による水疱がみられます。

水疱が敗れると、傷痕が残ります。

 

ワセリンなどの軟膏を患部に塗って処置しますが、
家庭で処置をおこなうと、ガーゼ交換のときに、
新しくできかけている表皮を剥がしてしまったりする
可能性があります。

 

また、浸出液が多いと感染が起こりやすくなりますし、
水疱があまりにも大きい場合は、排液する必要性があります。

 

患部の管理が正しくおこなえないと、傷が深くなってしまう
ことがあるので、医師の診察を受けることをお勧めします。

受診すれば、1~2週間で完治し、瘢痕が残ることもほとんどありません。

 

熱傷Ⅱ度(深達性)の場合

医師による治療が必要です。

皮膚の深い部分まで損傷しているため、完治しても、
瘢痕やひきつれを残す可能性が高いです。

 

患部を湿潤環境に保ちます。感染を予防するために、
消毒や軟膏による治療がおこなわれます。

治療には1ヶ月以上の期間を有します。

 

熱傷Ⅲ度の場合

熱傷Ⅲ度は重症です。

入院治療が必要です。

ショック状態に陥っている場合は、大量の点滴治療が

おこなわれます。

 

原則として植皮術など外科的治療が施されます。

 

植皮術の場合、正常な部分の皮膚を採取しなければいけないため、
その部分にも傷をつくってしまうというデメリットがあります。

 

昨今、自分の皮膚を増殖させる自家培養表皮が開発されたため、
自家培養表皮移植術をおこなう医療機関が増えてきています。

 

気道熱傷の場合

火事などで気道熱傷や煙を吸い込んでしまっている場合は、
胸部CT検査や気管支鏡検査、血液検査がおこなわれます。

 

一酸化炭素中毒が疑われる場合は、高濃度酸素を投与する
治療がおこなわれます。

 

病院で処方される薬

受診すると、感染を防ぐ薬(ゲンタシン軟膏など抗生剤)や
傷の治癒を早める薬(ワセリンやステロイド軟膏)、
損傷した組織を修復する薬、潰瘍治療の薬などが処方されます。

 

途中で薬を止めたり用量を減らすなど自己判断は禁物です。

正しく、きっちりと服用しましょう。

 

やけどが痕になったら・・・やけど痕の治療

熱傷は完治しても、肥厚性瘢痕やケロイドが形成されてしまう
ことがあります。

 

肥厚性瘢痕もケロイドも、同じような治療が施されますが、
保存的(手術をしない)な方法だけで治療をすることは
大変難しいといわれています。

 

内服薬

抗アレルギー薬(リザベン)が処方されます。

繊維芽細胞の増殖や赤み、痒みを抑える効果があります。

 

外用薬

ステロイド軟膏やステロイドテープが処方されます。

ステロイドには抗炎症作用があります。

 

注射

ステロイドをケロイドに直接注射します。

ステロイドテープなどに比べると効果的な方法ですが、
月に1回、必ず治療を続けなければいけません。

 

薬が効きすぎると皮膚に凹みを生じてしまうという
リスクもあります。

 

女性の場合は生理不順を引き起こす可能性もあるため、
注意が必要です。

 

圧迫療法

シリコンシートなどを用いて傷口を圧迫します。

ケロイドを安静に保ち、血流を低下させて繊維芽細胞の増殖を
抑制します。

 

他の治療法と併せておこないます。

 

レーザー治療

レーザーで傷痕を平らにし、色素沈着や赤みを分解するとともに、
細胞を修復する光治療が施されます。

 

手術治療

ひきつれを起こすようなケロイドや、肥厚性瘢痕によって
関節が曲がりにくいなどの障害が生じているときには、
手術治療が適しています。

 

手術によって壊死組織を除去します。

 

熱傷Ⅱ度(深達性)の場合は、約1ヶ月で皮膚が再生しますが、
熱傷Ⅲ度の場合は、皮膚の全層が壊死状態のため、
壊死組織を除去しても、皮膚の再生は期待できません。

 

この場合、植皮術が必須です。

 

手術後は放射線治療をおこなって、繊維芽細胞の働きを抑え、
再発を防ぎます。

 

まとめ

やけどは自然に治る軽症のものから、命にかかわる
重症のものまであります。

大切なのは、正しい知識をもってすばやく対応することです。

症状に合わせた正しい対処方法を理解しましょう。

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