
月経予定日が過ぎても生理がこない
からだがだるくて眠気におそわれる
など、いつもと違うからだの変化は「妊娠のサイン」かもしれません。
妊娠の初期症状は人によって様々ですが、ときには「出血」がみられることもあります。
医学用語ではありませんが、通常この出血を、「着床出血」とよんでいます。
着床出血は、100人中1人か2人程度の割合でみられます。
今回は、妊娠初期の腹痛や出血の原因である、「着床出血」について詳しく説明したいと思います。
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Contents
妊娠のサイン?着床出血とは?
受精卵が着床した後(妊娠直後)に起こる出血を着床出血といいます。着床の過程における「生理的な出血」と考えられています。
着床出血の原因としては、「受精卵による組織融解時に漏れた血液」や「hCG(絨毛性ゴナドトロピン)の分泌量の不足」で起こると考えられています。
それではそれぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
受精卵による組織融解時に漏れた血液
受精卵が子宮内膜に着床する際、受精卵は子宮内膜を溶かして深く侵入し、安定した着床をおこないます。子宮内膜には血管が豊富に通っています。
受精卵は、それらの血管を溶かして結合させ、胎児に必要な栄養を取り込みます。
この過程で、溶かされた血管から血液がにじみ出し、子宮内に漏れてしまうことがあります。
その場合、漏れた血液は子宮内から外部に排出されるため、(着床)出血が起こります。
この際、お腹に軽い痛みを伴うこともあります。
hCG(絨毛性ゴナドトロピン)の分泌量の不足
妊娠すると、胎盤からhCG(絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。このホルモンは、妊娠を継続するために、卵巣を刺激して、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌を維持する働きがあります。
妊娠によって生理が止まるのは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが継続して分泌されているからなのです。
ところが、hCGの分泌量が少ないと、卵巣への刺激が弱まるため、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌が減少してしまいます。
その結果、一時的ですが、出血を起こしてしまいます。
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着床出血と生理の違いは?

着床出血は月経予定日あたりの時期にみられるため、生理や不正出血と区別することがいささか困難です。
妊娠を意識している人にとっては、流産の兆候かもしれないとなおさら不安がつのります。
まずは、出血の時期や症状、出血量などをチェックしてみましょう。
□着床出血の時期
排卵後から次の月経予定日頃に出血します。
□着床出血時の基礎体温
妊娠すると、基礎体温は高温のまま維持されますが、着床出血があったときには一時的に体温が下がることがあります。
しかし、すぐにまた体温は上昇します。
□着床出血の期間
1週間程度続くこともありますが、多くは2~3日で止まります。
□着床出血の色
血の色については、個人差が非常に大きく、生理の色と着床出血の色の判別は非常に難しいです。
鮮血のこともあれば、おりものが混ざって淡いピンク色や茶色がかった出血がみられることもあります。
ときには、茶色っぽいドロドロ状のものが出ることもあります。
□着床出血の量
人によっては、生理と同じ程度の出血をすることもありますが、ほとんどの場合は微量で、おりものに赤っぽい色がついている程度です。
□着床出血時の痛み
着床出血はほとんど痛みを伴いません。
痛みがあったとしても、生理時のような下腹部痛とは比較にならないほど軽いものです。
着床出血は流産の兆候?
着床出血は、受精卵が着床する過程でおきる生理的な現象です。出血が少量であり、数日で止まれば、流産を誘発することはまずありません。
ただ、ここで気をつけておきたいことは「子宮外妊娠」です。
子宮外妊娠すると、着床出血が起こる時期と同時期に少量の出血がみられます。
子宮外妊娠の特徴としては、ピンク色のおりものや少量の出血が継続することが挙げられます。
また、出血量は胎児の成長によって増えることが多く、この症状は一般的な妊娠ではみられないものです。
着床出血だと安易に考えてしまうと、取り返しがつかないこともあります。
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まとめ
妊娠初期に一番気を付けるべきことは「流産」です。からだを休めても出血が続いたり、お腹の張りがおさまらない場合は、必ず産婦人科で診察を受けましょう。
妊娠初期は、お腹の赤ちゃんにとって器官の基本的な輪郭が整うなど分化が最も進む時期にあたります。
この時期は、無理をせず、上手に過ごすことが、妊婦さんにとってもお腹の赤ちゃんにとっても重要なことです。
一日も早く不安を取り除いて、優しい気持ちでお腹の赤ちゃんに接しましょう。
最後までありがとうございました。
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