
夏にかかる風邪!ただの風邪の侮ってませんか?
夏風邪の急な発熱はヘルパンギーナかもしれません!
ヘルパンギーナとは、主に5歳以下の乳幼児や子どもが発症しやすい、ウイルス感染症です。
俗に「夏風邪」と呼ばれることが多く、毎年6月下旬あたりから8月中にかけて流行する疾患です。
今回は、このヘルパンギーナの症状や予防方法などをご紹介したいと思います。
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Contents
ヘルパンギーナの原因は?
ヘルパンギーナ(Herpangina)とは、「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルス群に属するウイルスによって引き起こされる、急性咽頭炎のことです。主なエンテロウイルス群としては、
■コクサッキーウイルス(A群)
■コクサッキーウイルス(B群)
■エコーウイルス
■エンテロウイルス(68型~72型)
■コクサッキーウイルス(B群)
■エコーウイルス
■エンテロウイルス(68型~72型)
になります。
ヘルパンギーナの感染時の症状は?
ヘルパンギーナは、主に5歳以下の子どもによく発生する感染症で、急な発熱と口の中の奥の柔らかい部分に小さな白濁したようなブツブツ
という症状が出現します。
しかし、ヘルパンギーナの感染は子どもだけではありません。
大人であっても体力の落ちているような場合には発症します。
感染しやすい季節は、夏場が多いと言われます。
昔は「夏風邪」と言われており、実際に日本では夏場に多く感染の報告がされています。
全くないとは言えないものの、寒く乾燥した冬場ではほとんど見られず、多くが気温の高い時期に集中しています。
エンテロウイルスに感染した後、数日の潜伏期を経過し、熱と喉の痛みを訴えます。
40度近い発熱が数日続き、時としてそれ以上の高熱になります。
口の中は一般の口内炎とは異なり、口のかなり奥の方、口腔内の上あご部分や咽頭部周辺に数ミリサイズの赤く腫れた上に中央が白く濁ったような水疱ができます。
この水疱がつぶれはじめると潰瘍になり、子どもにとっては大変痛いものになります。
そのため子どもは不機嫌になり、食欲が無くなることが多いです。
また、時としてお腹の痛みや、吐き戻しも起こします。
熱は数日で収まり、その後口内のただれもゆっくり快方に向かいます。
ほとんどの場合は数日で収まりますが、まれに40℃以上の高熱が出ることがあります。
また、重症化してしまうと、無菌性髄膜炎や急性心筋炎などの合併症を起こすこともあります。
ヘルパンギーナの感染経路は?
ヘルパンギーナは、飛沫感染や糞便などの接触(手洗い不足など)から、エンテロウイルスが口や目などの粘膜から侵入します。感染後2日から5日の間が潜伏期間で、その後に発症します。
比較的抵抗力の弱い乳幼児に発症が見られ、抵抗力のある人は症状が出ないこともあります。
ちなみに手足口病も同じこのエンテロウイルスによるものです。
ヘルパンギーナを起こすのは、エンテロウイルス群の中でもコクサッキーウイルスA型とエコーウイルスです。
これらエンテロウイルスは、人間の口の中や腸の中で繁殖しやすく、そのためお子さんの口内に水疱ができる等の症状をもたらすのです。
感染したあと、体内にはこのウイルスへの免疫が出来ますが、前述のように複数のタイプのウイルスによって引き起こされます。
そのため、せっかく治癒したのに、またすぐに別のタイプのウイルスによって感染してしまうというケースもあります。
したがって、家庭内で大人が感染していて、自覚症状がないまま咳やくしゃみでウイルスをまき散らしてると、短期間で子どもが何度もヘルパンギーナになってしまうおそれがあります。
家庭で出来るヘルパンギーナの診断方法は?
ヘルパンギーナには、いくつか特徴的な症状があります。まずは、
(1)熱があるかどうか
(2)口内の奥のほうに、白く濁ったブツブツが出来ているか
(3)口蓋垂(のどひこ、のどちんこ)が腫れているかどうか
(2)口内の奥のほうに、白く濁ったブツブツが出来ているか
(3)口蓋垂(のどひこ、のどちんこ)が腫れているかどうか
を確認します。
ヘルパンギーナの場合、通常は歯茎や舌、口内の前方にはあまり水疱は出ません。
子どもの夏風邪として有名な「手足口病」の場合は、高熱を出さない、または熱がでないこともあるのですが、病名の通り手のひらや足に無数のブツブツが出ます。
ヘルパンギーナではこれは起こりません。
ただし、同じエンテロウイルスのコクサッキーウイルスの一部に感染していると手足口病に感染してしまうことがあります。
手足口病は、ヘルパンギーナと同時に併発することも有りえますので注意が必要です。
ヘルパンギーナの重症化
ヘルパンギーナに感染した場合、稀に重症化する場合があります。重症化すると、髄膜炎や脳炎、急性心筋炎などの合併症を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
特に、頭痛や嘔吐がある場合は、無菌性の髄膜炎を起こしている可能性もあります。
自己判断せず医師の診断を受けてください。
ヘルパンギーナと手足口病の症状の違いは?

手足口病は、口の中や手の平、足の裏などに赤いブツブツや水疱ができる感染症です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
手足口病とヘルパンギーナの症状の違いとしては、この「発疹」の特徴でしょう。
ヘルパンギーナに感染したバイ、この手足口病の特徴である発疹はできません。
そのため、手や足などに発疹がでた場合は、手足口病を疑うべきでしょう。
もう一つの特徴としては、熱の温度になります。
手足口病に感染した場合、37℃~38℃の熱が出ます。
ただし、まれに発熱しない場合もあります。
これに対し、ヘルパンギーナは39℃~40℃とかなり高い熱の症状が突然現れます。
これらは目安になりますので確実な判断方法ではありません。
やはり、できるだけ早く病院で受診することをおすすめします。
家庭で出来るヘルパンギーナの予防方法は?
残念ながらこの種のエンテロウイルス群に対する抗ウイルス薬もワクチンもまだ開発されていません。そのため、家庭では徹底してウイルスをまき散らさない工夫が必要です。
基本的な予防方法としては、
体調が悪い人は家の中でもマスクをする。
便の中にエンテロウイルスがあるので、トイレの後はよく手を洗う。
外出のあとはよくうがいをする。
人ごみの中ではできればマスクをする
便の中にエンテロウイルスがあるので、トイレの後はよく手を洗う。
外出のあとはよくうがいをする。
人ごみの中ではできればマスクをする
等の基本行動が最も効果的です。
絶対に、ハンカチやタオルなどを家族間でも共有しないようにしましょう。
家庭で出来るヘルパンギーナの治療方法は?
ヘルパンギーナを発症してしまった場合は、特効薬はありません。そのため。熱やのどの痛みなどに対して対応します。
ヘルパンギーナでは、数日間40℃近い高熱を出すことがあるので、一般の子どもの発熱に対処方法で熱をさまします。
高熱になった場合は危険なので、自己判断せずにすぐにお医者さんにかかるべきです。
しかし、一時的な対処としては、大きな動脈のある首回り、腋の下、股の付け根を小さな保冷剤を包んだ手ぬぐいを当てるなどして冷やすことが効果的です。
水枕や水分をしっかり取ることは療養の基本ですが、ヘルパンギーナになると口の中が潰瘍だらけになって痛くなります。
そのため、小さいお子さんは食欲がなくなり、酸味のあるものなどは激痛を呼んでしまいます。
刺激の無いぬるま湯やスポーツ飲料、薄い麦茶などをこまめに飲ませるようにしましょう。
熱が続いて水分補給が足りないと脱水症状になりやすいので注意してください。
食べ物はつるんとしてのど越しのよいものを与えると嫌がらないでしょう。
オススメは、熱くないうどんやヒンヤリしたそうめん、プリンなどです。
エンテロウイルスは「細菌」ではありませんから、抗生物質を飲んでも効果がありません。
ただし、解熱剤は必要に応じて使うことが出来ます。
ヘルパンギーナ感染後は、登園・登校・出社はいつから可能?
ヘルパンギーナの症状は、数日で熱が収まり、次第に口内の潰瘍も良くなっていきます。そのため、自然治癒した後、当人の体調が良いならば登園、登校、出社できるようになります。
ただし、予後も便の中にウイルスが数週間は出ていますので、家族に感染させないように注意が必要です。
予防法と同じく、相手に感染させないように注意しましょう。
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最後に・・・
いかがでしたか?今回は、ヘルパンギーナの症状と予防や治療、そして手足口病との違いについてご紹介しました。
ヘルパンギーナはただの夏風邪と侮っていると、重症化してしまう可能性のある病気です。
特に小さな子供は自分の体調を詳しく伝えることが出来ません。
そのため、親が十分に注意して観察してあげる必要があります。
少しでもおかしいな?と感じたら、病院に行きましょう。
また、大人であってもヘルパンギーナに感染する可能性はあります。
しっかりと予防して、体調管理に気を付けてください。
最後までありがとうございました。
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