
背中や肩甲骨周辺に張り付いたような痛みを感じたことが
ある人は少なくありません。
パソコンに長時間向き合っていたり、姿勢が悪いと、
乳酸が溜まり、コリが生じます。
筋肉の緊張が続くと、重石を乗せられたような重圧感のある
痛みが現れます。
背中や肩甲骨周辺の痛みの大半は、筋肉疲労です。
その場合は、休養や運動などによって、2~3日もすれば
痛みが解消します。
ところが、痛みがなかなか改善されず長期間にわたって続いたり、
徐々に痛みが増強する場合には、筋肉痛や筋肉疲労とは違い、
内臓疾患が疑われます。
内臓疾患?と不思議に思われがちですが、
「背中の右側が痛い!肩甲骨周辺が痛い!」
は弱っている内臓からの重要なサインなのです。
では、その内臓疾患とはどんな病気があるのでしょう?
今回は、右の背中や肩甲骨の痛みを生じる内臓疾患の病気と症状について紹介します。
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Contents
右の背中や肩甲骨の痛みを生じる内臓疾患とは?
背中の右側、右肩甲骨に痛みを生じる場合は、胆嚢疾患、
肝臓疾患、
腎臓疾患、
消化器疾患
など様々な病気が疑われます。
どの分野の疾患も、
「痛みは弱っている内臓からのサイン」
です。
「筋肉痛や筋肉疲労の痛みと少し違うかも・・・」
と感じたら、早急に医療機関で受診しましょう。
胆嚢疾患
胆嚢疾患とは、肝臓の下にある洋梨形をしたちいさな袋状の器官である胆嚢に影響する疾患のことです。
例えば、胆石症や胆管炎になると、右肩甲骨周辺、背中の
右側にかけて痛みを生じます。
どちらも適切な治療が必要です。
稀に胆嚢癌や胆管癌のこともあるので、早めの受診がお勧めです。
胆石症の症状は?食事のたびに痛みを繰り返す!
胆石症とは、胆嚢や胆管に結石ができて、痛みなどの症状を引き起こす病気の総称です。
胆石が小さなうちは、目だった症状は現れず、自然に
排出されることもあります。
ところが、結石が大きくなってくると、食後に右季肋部痛が
現れるようになり、便の色が白っぽくなります。
みぞおち周辺から右脇腹にかけて激痛が生じ、同時に
右肩甲骨周辺や右背中にかけて連動するような痛みが
発生します。
痛み以外にも、吐き気や嘔吐、食欲不振、倦怠感などが
伴うことがあります。
胆石症が悪化すると下血や黄疸が現れます。
また、胆嚢炎などを引き起こす原因にもなります。
胆石発作を防ぐためにも、脂肪の多い食事を避け、バランスの
とれた食生活を試みましょう。
胆嚢炎の症状は?重症化すると命を脅かすことも!
胆嚢の中に細菌が繁殖すると胆嚢炎を引き起こします。胆嚢炎になると、みぞおち周辺や右上腹部痛、右肩甲骨あたりから
右の背中に激しい痛みを生じます。
押さえつけられるような鈍痛のこともあれば、激痛が
走ることもあります。
特に、右季肋部を押すと痛みが増強します。
痛みは消失することなく、長時間続き、徐々に強くなります。
細菌の繁殖によって胆管が閉塞してしまうと、黄疸や嘔吐、
高熱などの症状が伴い、重症化すると命をおとすことも
あるので、注意が必要です。
胆嚢炎の最大の原因は「胆石」ですから、胆嚢炎の発症を
予防するには、まず胆石症の改善を試みましょう。
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肝臓疾患
肝臓は右側上腹部に位置しているため、肝臓が弱ってしまうと、背中の右下に痛みが継続して起こったり、腫れが生じます。
肝炎ウイルスキャリアの人は、特に要注意です。
慢性肝炎の症状は?肝がんに進行することも!
背中の右下の痛みに伴って、全身倦怠感や食欲低下、吐き気、嘔吐、黄疸などの症状がみられる場合は、肝炎や肝臓癌の
危険性があります。
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに長期間持続感染していると
慢性肝炎を引き起こします。
慢性肝炎がさらに進行すると肝硬変を起こし、肝臓癌に
つながります。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われているほど、かなり悪化するまで
症状が起こりにくい臓器なので、痛みを感じたら、一日も早く
検診しましょう。
腎臓疾患
肝臓と同様、背中の右下に激しい痛みを生じるときには、腎臓疾患の恐れもあります。
腎臓結石などの場合は、結石の位置が変わると、痛みを感じる
部位も移動します。
腎臓機能が低下しないうちに、早めの処置が必要です。
腎臓結石!のたうち回るような痛みは腎臓の悲鳴!
「背中の右下がえぐられる様に痛い!横たわると更に痛みが強くなる!」このようなときには腎臓結石が疑われます。
尿管で結石が動くと、のたうち回るほどの激しい痛みが生じます。
嘔吐を伴ったり、血尿がでることもあります。
重症化すると尿管に結石が詰まり、尿が流れなくなって、
腎臓機能が停止してしまいます。
腎臓結石を患っている人は、カリウム(野菜や果物に
多く含まれている)を沢山摂取するよう心がけましょう。
消化器疾患
背中の右側の痛みは、十二指腸潰瘍のことがあります。十二指腸潰瘍を患っている全ての人に上腹部痛や背中の痛みが
現れるわけではありません。
背中の右側の痛みは、十二指腸潰瘍がかなり進行してから
現れることが多いです。
十二指腸潰瘍 ストレスも大きな要因!
十二指腸潰瘍は、胃酸過多の人に多くみられます。一般的に、十二指腸潰瘍を患うと、みぞおちの痛みや上腹部の
キリキリとした痛み、下腹部の違和感、食欲不振、胸焼け、
口臭など、いずれかの症状が現れます。
「空腹時にみぞおちあたりが痛むが、食後は痛みが和らぐ」
のが、十二指腸潰瘍の特徴です。
「酸」の分泌はストレスに大きく影響されます。
ストレスを溜めこまないように気を付けることも、潰瘍防止に
役立ちます。
まとめ
内臓疾患が「痛み」として現れるときには、内臓が位置する場所だけでなないのです。
からだに不快な痛みが継続するときには、まず医療機関で
受診することがお勧めです。
背中の痛みを軽く見ていると、大きな病気を見逃すことに
なるかもしれませんよ!
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