
前置胎盤とは、受精卵が着床する胎盤の位置は、子宮の
上のほうにできているのが普通ですが、胎盤が下のほうに
できてしまい、子宮口を覆ってしまう状態をいいます。
種類としては、
胎盤の縁が子宮口に少しかかっている「辺縁前置胎盤」、
胎盤が子宮口の一部を覆っている「部分前置胎盤」、
子宮口を全部を覆っている「全前置胎盤」
があります。
また胎盤と子宮が癒着して胎盤が剥がれない「前置癒着胎盤」もあります。
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前置胎盤の原因
前置胎盤の原因はまだ解明していませんが、子宮筋腫や流産手術などにより内膜に傷や炎症を起こしている場合に
起こりやすいと考えられています。
近年では、
高齢出産、
不妊治療の普及、
喫煙、
帝王切開の増加
などにより前置胎盤の頻度も増加しています。
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前置胎盤の診断
最近では超音波検査により、早い時期に診断されます。妊娠が進み子宮が大きくなると徐々に胎盤が上がり、最終的には
前置胎盤でなくなることもあります。
このため、妊娠中期は「前置胎盤疑い」として、
妊娠31週末まで診断します。
前置胎盤の症状
一般的には無症状で、腹痛を伴わない出血の「予告出血」
「警告出血」
があることが多いので、少しでも出血があったら診察しましょう。
これらの症状は28週以降に増加するといわれています。
前置胎盤の治療法は?
出血があれば入院管理となります。安静と必要に応じて子宮収縮抑制剤を投与して出血を防ぎます。
出血がなくても妊娠30週頃には安静目的で入院管理となります。
また、分娩方法のほとんどが帝王切開になります。
出血が多くなければ胎児が体外生活が可能な時期まで妊娠を
延長し、妊娠経過中に大量出血となった場合は緊急帝王切開手術が
行われます。
臨月まで出血がなく経過した場合は予定帝王切開手術を行います。
手術に伴い、大量出血に対する準備として自分の血液を
採取しておく「自己血貯血」をしておきます。
それでも足りないケースが多いので十分な量の輸血確保が
必須です。
前置癒着胎盤では、癒着胎盤が高度で剥離困難であるときは、
胎盤をそのまま残し抗癌剤などで胎盤を縮小させる方法も
あります。
剥離できてもその後止血困難な場合は救命目的で
子宮全摘出などもあります。
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