
主に冬に流行するRSウイルス感染症。
RSウイルス感染症で最も注意しなければならないのは、
新生児や乳児などの小さな子どもへの感染です。
小さな子供が感染した場合、細気管支炎という呼吸困難や肺炎
になり、重症化することがあります。
今回は、RSウイルス感染症の症状や予防法についてご紹介します。
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Contents
RSウイルス感染症とは?症状は?
RSウイルス感染症は、世界中で広く見られる乳幼児の呼吸器感染症です。
誰でも一度はかかるものですが、小さな赤ちゃんにとっては
重症化しやすい危険な病気のひとつです。
多くの子どもが1歳ぐらいまでにこの「RSウイルス」に感染し、
3歳ごろまでには免疫を付けます。
しかし、生まれたてから生後半年ぐらいの赤ちゃんに感染した場合、
稀に重症化することがあります。
特に生後6ヶ月までの乳幼児はまだ抵抗力が弱いために重篤化し、
無呼吸症などを引き起こし、最悪の場合死亡することもあります。
また老人ホームなどの空間で、免疫不全か抵抗力が弱っている老人、
また、免疫不全の人などが感染すると重症の下気道疾患になることが
あります。
一方、生後1年以上の子どもになると抵抗力がつき、もし感染しても
軽症で済むことが多く、鼻水、咳、発熱などはありますが、
多くの場合1~2週間で治ります。
このRSウイルス感染症には、治療薬はまだありません。
RSウイルス感染症の原因は?
RSウイルスに飛沫感染または接触感染をすることで起こります。これはごくありふれたウイルスで、日常生活では普通に存在しており、
集団生活の中で私たちは常に感染しうるものです。
感染した場合、すでに子ども時代から何度も感染しており、免疫があるため、
一般的には鼻水を伴うような風邪の症状程度で終わってしまうことが多いのです。
いつのまにか治癒することも多く、大きくなると感染しても
あまり大きな症状は出なくなります。
乳飲み子の場合、母体から引き継がれた「移行抗体」もあるのですが、
それでもこのRSウイルスに抵抗する力が足りず、かかってしまうと
悪化してしまうのです。
赤ちゃんが自分で遊びに行って友達からうつされることはなく、
多くの場合は家族が感染しているのに気付かないまま、
赤ちゃんに室内でうつしてしまうことで感染します。
一度かかると免疫が出来ますが、他のタイプのウイルスに
また感染することで、何度も感染症を起こすことも少なくありません。
ただし、子どもが大きくなっていくに従い、感染しても症状は
軽くなり、普通の風邪と同じに見えます。
健康な大人であっても、病棟などで、たくさんの患者から
大量のRSウイルスを受けているような環境で感染・発症し、
体調によっては症状がひどくなることもあります。
RSウイルス感染症にかかりやすい時期・季節は?
日本の気候においては秋口から冬場にRSウイルス感染症が爆発的に広がることが知られています。
近年においては春や夏場にも見られ、従来のウイルスの特性から
変化があるのではないかともみられています。
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RSウイルス感染症を予防する方法は?
このRSウイルスは、主にくしゃみ、咳、鼻水などからの飛沫感染で広がるほか、ドアのノブやエレベーターのボタンなどへの
接触による感染もありますので、
そのため、
手洗いをよくすること、
外出の際にはマスクを着用すること
など、基本的な方法が予防に効果があります。
このウイルスは石鹸やアルコールですぐに感染力を失いますので、
まめな手洗い、うがい、消毒を心がけましょう。
特に0歳児、1歳が感染しないよう、細心の注意を払う
必要があります。
家具の手が触れるところはアルコールまたは塩素系の消毒剤で
清潔を保っておき、外出から帰ったあと、トイレの後、
食事の前などはまめに石鹸と流水で手を洗うことを徹底しましょう。
RSウイルス感染症の薬品が日本でも認めらていますが、
非常に高価なもので、保険がきくとはいえ一回につき
数万円もかかります。
この薬は主に早産児でRSウイルス感染症が重症化しないように
するものですが、完全に予防することはできません。
感染して発症した場合に非常に危険だと見られる未熟児などへの
特別な措置といえます。
また、赤ちゃんや免疫の弱い人の周囲でタバコを吸うことは、
煙が呼吸器に悪影響をあたえ、一説にはRSウイルスに感染
しやすくなると言われています。
言わずもがなですが乳幼児の受動喫煙は避けましょう。
家庭で出来る診断方法は?
以下の症状があるかを確認します。(1)鼻水が出てくる(感染の確立 初日~)
(2)咳がだんだん強くなる(2日目~)
(3)ゼイゼイとする、多呼吸(2日目~)
(4)微熱~38度程度の発熱(2日目~)
(5)息苦しくなる(大変危険です)
(6)顔色が悪い(大変危険です)
(7)唇や顔色が黒ずんでくる(チアノーゼ)(重篤です)
(8)無呼吸(重篤です)
その他:
食欲低下
元気がなくなる
陥没呼吸
鼻翼呼吸(喘息や呼吸困難時に特徴的な呼吸の様子)
など
ただし、2歳以上で平均的な抵抗力がある子どもであれば、
軽症のまま1~2週間で自然と治癒していきます。
逆に、生まれたての赤ちゃんから1歳児ぐらいの乳児では、
上記のような症状が出るほか、生まれたて(生後数週間)の
赤ちゃんが感染すると症状はさまざまで、医師でも
原因を特定しにくいことが多く危険です。
(5)の症状が出てきている場合は家庭では手当が出来ません。
至急医師に相談するか、(6)~(8)のような場合には
大至急119番に通報しなくてはなりません。
症状が出て2~3日目で、かなり重い症状になっていても、
RSV迅速検査では陰性になることがあるので、乳児の
検査は慎重を要します。
家庭で出来る対処方法は?
乳児でなければ、ほとんどの場合は風邪の症状で、特効薬もないためそのまま身体の治癒力で回復するのを
待ちます。
しかし、乳児で特に生まれたての赤ちゃんやごく初期の場合は
細気管支炎や肺炎を起こすことがあるので、すみやかに医師に
相談しましょう。
ひどい咳やゼイゼイ感を伴うので、水分補給を十分にして、
痰の排出が容易になるようにしましょう。
気管支の拡張薬などは有効ですが、必ず医師の診断を
うけてから服用します。
まとめ
RSウイルスに対してはお母さんのおなかの中にいるときにもらった免疫では感染を防ぐことはできません。
特に、3~6ヶ月ぐらいの乳児は免疫力が弱く稀に重症化する場合が
ありますので、その時期にうつらないようにすることが大切です。
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