RSウイルス感染症にはシナジス?肺炎の症状の前に予防を!

main RSウイルス感染症(急性呼吸器感染症)は、1歳までの乳児に多く
発症するウイルス性疾患です。

2~3歳頃までには、RSウイルスに一度は感染すると
いわれています。

 

RSウイルス感染症は、9月頃から増加し始め、
11月から12月にかけて、飛沫感染や接触感染によって
流行を拡大していきます。

 

RSウイルスに幾度か感染を繰り返すうちに抗体がついてくるので、
再感染のときには軽症ですむことが多いです。

しかし、初めて感染したときには、激しい症状に見舞われがちで、
ときには重症化して、命を落とすこともあります。

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RSウイルスの重症化

RSウイルスに感染すると、「鼻水」「咳」が続き、
39℃前後の高熱が出ます。

 

通常は、このまま回復に向かうことが多いですが、
初感染の乳幼児の25~40%は重症化してしまいます。

重症化すると、細気管支炎肺炎を起こします。

 

乳幼児の肺炎の約半分、細気管支炎の50~90%は、RSウイルスが
原因であるといわれています。

 

細気管支炎では、ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼気性喘鳴や
陥没呼吸、呼吸困難などの特徴的な症状が現れます。

細気管支炎と肺炎は、しばしば合併して起こることが多いです。

罹病期間は7~12日くらいです。

 

細気管支炎や肺炎を併発すると、入院治療が必要となります。

入院をして3~4日すると、ずいぶんと症状が和らぎますが、
ウイルスの排泄や肺胞におけるガス交換が正常化するまでには
数週間かかります。

 

RSウイルス感染症が重症化する最も多い月齢は、
生後6ヶ月以内の乳児であるといわれています。

生後2ヶ月頃から、母親から移行した免疫がだんだんと減少し、
免疫力が徐々に低下してきます。

 

免疫力が低下しているときにRSウイルスに感染すると、
重症化しやすくなるのです。

特に、早産児や循環器系疾患をもつ乳児などが感染してしまうと
重症化しやすいとされています。

 

また、重症化した場合には、呼吸器疾患を併発してしまうので、
十分な注意が必要です。

 

シナジス注射でRSウイルス感染における重症化を防ぐ

RSウイルス感染による重症化を遮る

「シナジス」

という注射薬があります。

 

アメリカ合衆国では1998年から、日本では2002年から承認され、
治療に用いられています。

 

シナジスは、遺伝子組み換え技術によって作られた
モノクローナル抗体で、免疫システムを薬に応用したものです。

この製剤は、体内でRSウイルスが増殖することを防ぐ作用があります。

 

シナジス製剤は、非常に高価な薬です。

しかし、シナジス注射をしたからといって、RSウイルス感染を
完全に防御できるわけではありません。

 

あくまでも「重症化を防ぐ」ことを目的とした薬です。

 

シナジス注射の投与方法

シナジス注射は、筋肉内におこないます。

シナジス注射の投与量は、「体重」で決定します。

 

体重1㎏に対して15㎎の投与が必要です。

 

成長するにつれて、体重が増えると、投与量も多くなります。

投与量が100mgを超える場合は、2部位に分けて注射します。

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シナジス注射の有効期間

シナジス注射は、一般的な予防注射とは異なり、1回限りの
投与ではありません。

 

シナジス注射の効果は約1ヶ月間です。

そのため、RSウイルスが流行している期間中、1ヶ月に1回ずつ
投与することが必要となります。

 

シナジス注射の副作用は?

2007年に、アナフィラキシーショックの反応が世界で
3例あったことが報告されています。

死亡例はなく、現在のところ、重い副作用は
ほとんどみられていません。

 

シナジス注射の保険適応は?

シナジス注射は、すべての人に保険が
適用されるわけではありません。

保険が適用される対象者以外は、自費になります。

 

保険が適応される対象者とは?

「シナジスの開始時の月齢が24か月以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児、幼児」

と定められています。

 
早産児
・在胎週数が28週以下の早産で12ヶ月以下の新生児や乳児

・在胎週数が29~35週の早産で6ヶ月以下の新生児や乳児

 
24ヶ月以下で先天性心疾患をもつ新生児や乳児
・心臓の薬を服用している

・体重の増加やミルクの飲みが芳しくない

・多呼吸や肝臓の腫れが認められる

・肺高血圧である

・半年以内に外科的治療や心カテーテル検査などが予定されている

・(先天性)呼吸器系の機能的・器質的異常が認められる

・染色体や遺伝子異常が認められる

・過去6ヶ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24ヶ月以下の新生児や乳児

 

シナジス注射の費用は?

シナジスは大変効果な薬剤です。

50㎎(最小単位)の製剤で、
約8万円です。

 

体重1kgあたり、15㎎の投与が必要です。

一般的に新生児の体重は3kg前後ですから、
50㎎のシナジス製剤を使用します。

 

成長につれて、体重が増えてくると、50㎎の投与では
足りなくなります。

例えば、体重が6kgになると、90mgのシナジスが必要となるため、
少なくとも、100㎎入りのシナプスを用いなければならなくなり、
費用も2倍に膨れ上がります。

 

※保険が適用される乳幼児は、2~3割の自己負担となります。

また、乳児医療など公的負担制度を併用すると、負担額は
大幅に減少します。

 

まとめ

2~3歳までには、ほとんどの乳幼児がRSウイルスに
感染しています。

重症化すると、命とりにもなります。

 

呼吸器系が他の赤ちゃんと比べて弱いな…と感じたら、
医師に相談してみましょう。

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