B型慢性肝炎の症状と原因は?治療方法と副作用は?

d B型慢性肝炎は、B型肝炎ウイルスの感染が
持続することで起こります。

HBVキャリア(HBV保菌者)になった人に発病しますが、
そのすべての人が発病するわけではありません。


B型慢性肝炎の原因

B型慢性肝炎を発病する人のほとんどは、

母子感染(垂直感染)



乳幼児期の感染(水平感染)

によってキャリアになった人です。

 

ただし、母子感染防止事業が始まった1986年以降、
B型肝炎ウイルスの母子感染は激減しています。

 

キャリアになった人が成人して、B型慢性肝炎を発病する人は、
キャリアになった人の10%程度です。

約90%の人は、

無症候性キャリア

の状態で過ごすことができます。

 

無症候性キャリアの状態とは、抗体が「陽性」でも、
ASTやALTは正常範囲です。

つまり、キャリアであっても肝臓は正常に機能している
状態です。

 

成人になってB型肝炎ウイルスに感染した場合は、
B型急性肝炎を発症しますが、たいていの場合は
一過性で慢性化することはありません。

 

B型慢性肝炎の好発年齢

B型慢性肝炎発病の好発年齢は、20~30歳です。

放置していると、肝硬変や肝がんに進展する可能性が
高くなります。

 

垂直感染や水平感染から慢性肝炎に

キャリアが成立してから、長期間、無症候性キャリアの状態が
続きます。

そして、突然にして肝機能が悪化します(急性増悪)。

多くは10歳代後半から20歳代にみられます。

急性憎悪が起こっても、B型急性肝炎のようにほとんどの人が
治癒し、無症候性キャリアの状態を保ちます。

 

ところが、一部の人は、AST(GOT)、ALT(GPT)値が
定まらずに増減を繰り返してしまい、慢性肝炎になってしまいます。

また、急性憎悪が起こった後に、劇症肝炎になることもあります。

 

B型急性肝炎から慢性肝炎に

B型急性肝炎が治癒しないまま、6ヶ月を経過し、肝機能に
異常をきたしていたり、肝臓に炎症が持続している状態が
慢性肝炎です。

 

B型慢性肝炎 検査

〇ウイルス検査

B型急性肝炎と同様、HBs抗原・抗体、HBc抗体、
HBe抗原・抗体などを測定して、ウイルス検査を
おこないます。

 

〇血液検査

ASTやALTなどを測定し、肝機能の状態を確認します。

 

〇肝生検

腹腔鏡や腹部超音波装置を用いて、肝臓の組織の一部を採取し、
顕微鏡で肝臓の組織を調べます。

慢性肝炎がどの程度進行しているか確認します。

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B型慢性肝炎の治療

残念ですが、B型肝炎ウイルスを完璧に排除することは
できません。

肝臓を正常に機能させることが治療の最大の目的です。

 

無症候性キャリアの場合は、肝臓が正常に機能しているので、
治療はおこないませんが、急性憎悪や肝細胞がんなどに備えて、
定期的な経過観察をおこないます。

肝機能血液検査や腹部超音波検査など、半年に1回の割合で
受けることが望ましいです。

 

軽度の肝障害には、

グリチルリチン製剤(注射薬)



ウルソデオキシコール酸(内服薬)

で、肝庇護療法をおこないます。

 

しかし、これらの薬剤ではウイルス量を減少することは
できません。

 

急性憎悪が度々繰り返されるなど、肝臓に異常や炎症を
きたしている場合は、

インターフェロン治療



核酸アナログ製剤治療

がおこなわれます。

 

ウイルス性肝炎治療の中でも、インターフェロン治療は
最も期待されています。

 

インターフェロン治療

インターフェロンは、肝炎ウイルスの増殖を抑え、
ウイルスを破壊します。

しかし、強い副作用を伴うことが多いため、すべての人に
インターフェロン治療が施せるわけではありません。

また、インターフェロン治療をおこなっても、すべての人が
根治できるわけでもありません。

インターフェロンにおけるB型慢性肝炎の治療効果は、
約30%といわれています。

 

B型肝炎ウイルスはC型肝炎ウイルスに比べて、
インターフェロン治療や核酸アナログ製剤治療をおこなっても、
ウイルスの完全排除は難しいとされています。

インターフェロン治療の目的は、HBe抗原陽性の
B型肝炎ウイルスをHBe抗体陽性のB型肝炎ウイルスに
変えることです。

 
インターフェロン治療(IFN)対象者
インターフェロン治療は、主に、35歳くらいまでの
若年者が対象です。

その中でも、比較的軽症の肝炎(肝硬変などを発症していない)の
人に対しておこなわれます。

 

※比較的軽症の肝炎とは、HBe抗原が陽性でもHBe抗体は
陽性ではない慢性肝炎の状態にあること。

 
インターフェロン治療法
1週間に3度投与、それを24~48週間続けます。

インターフェロンの効果が発揮できれば、インターフェロン治療を
終了した後も、B型肝炎ウイルスの増殖は抑制され、肝炎は
自然におちつきます。

インターフェロンの効果が現れず、HBe抗原が陰性に
ならない場合は、インターフェロンを中止すると再び
B型肝炎ウイルスが増殖し、肝炎が再発します。

 
インターフェロンの副作用
インターフェロン治療は、倦怠感や発熱、関節痛など、
必ずといっていいほど、副作用が伴います。

痙攣や眩暈、脱毛が起こることもあります。

になることも少なくありません。

 

インターフェロンの副作用については、下記の記事を参考にしてください。

「インターフェロン治療における副作用/医療費の助成」

 

核酸アナログ製剤治療

核酸アナログ製剤治療は、ウイルスの増殖を抑制する
内服薬です。

核酸アナログ製剤は、主に35歳以上の人が対象です。

35歳以下でも、肝炎が進行している人には投与されます。

 

薬を飲んでいる間は、HBVウイルスの量は低下するため、
肝炎は起こりませんが、薬を止めると、肝炎が再燃することが
しばしばあります。

インターフェロンのように強い副作用は少ないですが、
核酸アナログ製剤治療を始めると、長期間
服用し続けなければなりません。

自己判断で、途中で薬を止めてしまうと、肝炎の急性憎悪を
引き起こし、肝不全などを発症してしまうこともあります。

また、長期間の間に、薬に耐性をもったウイルスが出現する
可能性があります。

 

以前は、核酸アナログ製剤を受けた人の半数が、投与された日から
約3年の間に薬剤耐性株が出現していました。

耐性株が出現すると、肝炎の急性憎悪が引き起こされて
死に至ることもあります。

現在用いられている最新の核酸アナログ製剤は、薬剤耐性株の
出現頻度が低くなり、安全性が高まりました。

しかし、5年以上の長期間使用についての薬剤耐性株の
出現については、今のところわかっていません。

 

医療費の助成

B型肝炎根治を目的としたインターフェロン治療や
核酸アナログ製剤治療を受ける人を対象に医療費の
助成制度が設けられています。

 

助成制度については、下記の記事を参考にしてください。

「インターフェロン治療における副作用/医療費の助成」

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