B型急性肝炎の症状と治療は?キャリアの感染に注意!

b B型急性肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が原因の
ウイルス性肝炎で、B型肝炎ウイルスが血液や体液を介して
感染し、肝障害を引き起こす疾患です。

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B型肝炎ウイルス(HBV)

B型肝炎ウイルスは、

ヘパドナウイルス科オルソヘパドナウイルス属

に属するDNAウイルスです。

 

遺伝子配列の違いによって8つの遺伝子型に分類されます。

日本では、圧倒的にC型が占めています。

次いで、B型、A型です。

 

ジェノタイプB型とC型のB型肝炎ウイルスによって発症する
急性肝炎では、キャリア化することはほとんどありません。

ジェノタイプA型は、北米や欧州、アフリカ中部に
多くみられる外来種のB型肝炎ウイルスです。

近年、日本でも、ジェノタイプA型のB型肝炎ウイルス感染が
広がってきています。

この種のウイルスに感染すると、キャリア化
(持続感染の状態)する可能性があります。

 

B型肝炎ウイルスの感染経路

B型肝炎ウイルスの感染経路は血液感染です。

性交渉による感染がほとんどを占めています。

 

その他、

輸血、

鍼治療、

注射器や注射針の汚染、

入れ墨、

ピアス

など、B型肝炎ウイルス持続感染者の血液が付着した状態で
共有すると感染しますが、昨今では、衛生管理が向上したことで、
激減しています。

潜伏期間は1~6ヶ月です。

 

B型肝炎の感染態様

B型肝炎ウイルスへの感染態様は、

「一過性感染」



「持続感染」

です。

 

〇一過性感染

B型肝炎ウイルスに感染しても、成人で免疫力がある場合は、
免疫によって体内から自然に排除されるため、ほとんどが
発病することなく治癒します。

一度B型肝炎ウイルスに感染すると、発病しなくても、
再び感染することはありません。

 

〇持続感染

7歳くらいまでの小児期は免疫機能が不完全なため、その時期に
B型肝炎ウイルスに感染すると、免疫によってウイルスを
体内から自然に排除することができません。

そのため、B型肝炎ウイルスは、生涯にわたって体内に
寄生してしまいます。

これを持続感染といいます。

 

持続感染の代表例としては、母子感染があります。

B型肝炎ウイルス感染者の母親が出産するとき、産道出血によって
B型肝炎ウイルスが新生児に感染します。

新生児はHBVキャリアになります。

 

また、成人でも、高齢であったり、他の病気を併発していて
免疫力が著しく低下していると、持続感染する可能性があります。

 

B型急性肝炎の症状

B型肝炎ウイルスに感染すると、

倦怠感



食欲不振、

吐き気

などの症状が現れます。

黄疸がみられることもあります。

 

しかし、B型肝炎ウイルスに感染しても、一過性の急性肝炎が
殆どで、その大部分は慢性化することはありません。

急性肝炎が治癒しないまま、B型肝炎ウイルスの感染が持続する
(6ヶ月以上)とB型慢性肝炎に進展します。

 

※B型慢性肝炎については、下記の記事を参考にしてください。

「B型慢性肝炎の症状と原因は?治療方法と副作用は?」

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B型急性肝炎の検査と診断

B型急性肝炎は、血液検査で判定します。

 

AST値、

ALT値、

ビリルビン値、

HBs抗原・抗体、

HBc抗体、

HBe抗原・抗体

などを測定します。

 

B型肝炎ウイルスに感染しているとHBs抗原が
陽性になります。

B型肝炎に対する免疫が付いている場合
(=ワクチン接種や、すでに感染したことがある場合)
は、HBs抗体が陽性になります。

現在または過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがある場合は、
HBc抗体が陽性になります。

過去6ヶ月以内にB型肝炎ウイルスに感染していると、
IgM型HBc抗体が陽性になります。

血液中のウイルス量が多く、他人へ感染する恐れが高い場合は、
HBe抗原が陽性になります。

血液中のウイルス量が少なく、肝細胞に影響が少ない場合は、
HBe抗体が陽性になります。

 

B型急性肝炎の治療

B型急性肝炎に対する特別な治療はありません。

一般的には、入院をし、主として対症療法がおこなわれます。

安静を保ち、食欲がない場合は、点滴などで水分や栄養補給を
おこないます。

重症化し、劇症肝炎などの症状が現れた場合は、

核酸アナログ製剤※

の投与や血液透析がおこなわれることがあります。

 

それでも効果がなく更に進行した場合は、肝移植が
おこなわれます。

 

※核酸アナログ製剤は、ラミブジンやエンテカビルなどです。

ラミブジンはB型肝炎感染治療薬として日本で認可されています。

エンテカピルはB型慢性肝炎に適応する薬ですが、B型急性肝炎に
処方されることもあります。

 

B型肝炎ワクチンでの予防

B型肝炎ワクチンは

「将来の肝臓がん」

を予防するワクチンです。

 

ワクチンの中でも最も安全なものの一つにあげられています。

 

B型肝炎キャリアの母親から生まれた赤ちゃんの接種

B型肝炎ワクチンの接種量は0.25ml、皮下注射です。

生後すぐ、生後1ヶ月、生後6ヶ月の3回接種します。

生後12ヶ月のときに免疫ができているか確認します。

 

B型肝炎予防のための(任意)接種

B型肝炎ワクチンの接種量は0.5ml、皮下注射です。

1回目を終えて4週間後に2回目を接種し、その後、
6ヶ月後に追加接種します。

3回目接種後、1ヶ月以降に、抗体検査をおこない、
免疫獲得の有無を調べます。

 

免疫獲得

B型肝炎ワクチンの効果は、年齢を重ねるごとに低下します。

乳幼児期に3回の接種をおこなうと、ほとんどの人がHBs抗体
(B型肝炎に対する免疫)を獲得することができます。

免疫持続期間は約15年です。

中高年の人がワクチンを接種すると、免疫獲得は、
約80%に下がります。

 

B型肝炎ワクチンの副作用

注射部位の腫れや痛み、全身の倦怠感、頭痛などが
現れることがあります。

 

B型肝炎ワクチン費用(平成27年度現在)

1回約8000円です。

3回目を接種した1ヶ月後に、HBs抗体検査が行われます。

HBs抗体検査料は約3000円です。

母親が妊娠中の検査でHBVキャリアであることが判明した場合、
母子感染を予防するために、ワクチンを接種しますが、
この場合は健康保険が適用となります。

 

ユニバーサルワクチネーション

1992年、WHOは

「B型肝炎の感染源の撲滅、肝硬変や肝臓がんによる死亡をなくすために、生後すぐにB型肝炎ワクチンを定期接種すること」

を世界中に指示しました。

現在、B型肝炎ワクチンは、ほとんどの国で定期接種と
なっています。

日本では、HBVキャリアの母親から生まれた赤ちゃんだけを
対象にしています。

平成27年1月、厚生労働省の専門部会において、
B型肝炎ワクチンを定期接種にする方向で意見が
まとまったため、平成28年度からの定期接種に
向けて準備が進められています。

 

予防接種については、下記の記事を参考にしてください。

「B型肝炎の予防接種の時期と費用は?同時接種は?」

「予防接種の基礎知識!任意と定期、ワクチンの種類は?赤ちゃんの発熱などの副作用は?」

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