A型急性肝炎の症状や感染経路は?予防接種の費用は?

D A型急性肝炎は、発展途上国など、衛生状態が極めて悪い地域に
多く発生します。

かつて、我が国でも衛生状態がよくない時代には、A型肝炎
ウイルスの抗体を持っている人が多くみられました。

衛生状態がよくなった現在では、A型急性肝炎の発生数が
激減していますが、同時に、衛生状態がよい時代に生まれ育った
世代の人は、A型肝炎ウイルスの抗体を持っていないため、
ウイルスが侵入すると感染してしまいます。

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A型急性肝炎は、治療することで、A型肝炎ウイルスが体内から
すべて排除されるため、慢性化することはありません。

一度感染すると、免疫ができるため、再び感染することは
ありません。

 

A型急性肝炎の感染経路

A型急性肝炎は、経口感染です。

 

感染者の大便から排泄されたA型肝炎ウイルスが、水や
食べ物などを汚染します。

汚染された水や食べ物を口にすることで、人々に感染します。

 

A型急性肝炎の潜伏期間

潜伏期間は2~6週間です。

初春から初夏にかけて多発します。

 

A型肝炎ウイルス(HAV)とは

A型肝炎ウイルスは、

ピコルナウイルス科ヘパトウイルス属のRNAウイルス

です。

 

水や食べ物を介して感染しますが、食品の中で増殖することは
ありません。

 

A型肝炎になりやすい食品

国内では、

「生水」



「生牡蠣などの二枚貝」

からの感染が多く占めています。

 

例えば、牡蠣は、天然、養殖問わず、ウイルスの混じっている
海水を吸い込むと、体内でウイルスを濃縮します。

汚染された海水を吸い込んだ生牡蠣を摂取してしまうと、
A型急性肝炎を発症してしまいます。

 

A型急性肝炎の症状

38℃以上の熱が数日続き、

下痢や腹痛、

全身倦怠感、

吐き気、

嘔吐

などの症状があります。

 

ときには、尿の色が茶褐色になったり、便が白色を帯びたり
することもあります。

 

幼児期の感染のほとんどは、
不顕性感染(ほとんど症状もなく、軽症)です。

中高年の人が感染すると、一般的には、治療をおこなえば
1~2ヶ月で肝機能が回復しますが、重症化することも
少なくありません。

 

重症化した場合

高齢者や、

B型肝炎や

C型肝炎、

アルコール性肝障害

などの慢性肝疾患をもっている人は、A型急性肝炎にかかると
重症化する傾向があります。

 

黄疸やASTとALTの値の上昇が半年以上続くと、腎不全や
血液疾患を合併する危険性が高くなります。

劇症肝炎※に進行すると、約50%の人が命をおとします。

 

※劇症肝炎とは、急性肝炎が悪化したものです。

急性肝炎を発症して2ヶ月以内に肝細胞が急激に壊死を起こし、
意識障害や昏睡の状態に陥ります。

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A型急性肝炎の検査

〇血液検査

AST(GOT)、

ALT(GPT)、

ビリルビン値、

チモール混濁反応、

プロトロンビン、

ヘパプラスチン、

IgM-HA抗体

などを調べます。

 
AST、ALT
下記の記事を参照してください。

「肝炎の原因と症状は?肝炎検査の費用は無料?」

 
ビリルビン値
ビリルビン値によって、肝障害の有無や程度を調べます。

肝障害によって胆汁がうっ滞すると、胆汁中のビリルビンが
血液中に漏れ出し、数値が上がります。

 
チモール混濁反応
チモール混濁反応は、肝機能障害のスクリーニングに用いられる
検査です。

 
プロトロンビン
プロトロンビンは、血液中にあり止血作用を担う凝固因子の
働きを調べます。

外因系の凝固因子は肝臓で合成されるため、肝機能の状態を
調べるときに用いられます。

 
ヘパプラスチン
ヘパプラスチンは、肝臓で生成されるビタミンKの欠乏状態を
測定し、肝機能の異常の有無や進行具合を確認します。

 
IgM-HA抗体
IgM-HA抗体は、適正な診断をおこなう血清学的検査です。

 

〇超音波検査

肝臓や胆嚢の委縮、脾腫、腹水などを調べます。

 

〇A型肝炎ウイルス遺伝子(HAV-RNA)検査

血液や便を調べて、A型肝炎ウイルスの遺伝子を調べます。

 

A型急性肝炎の診断

〇医師による問診

生牡蠣などの摂食の有無や病歴、A型肝炎が多発している
地域への旅行など、詳しい問診があります。

 

〇確定診断

免疫反応によってできたIgM-HA抗体を血液検査で測定し、
確定診断をおこないます。

 

A型急性肝炎の治療

主として対症療法がおこなわれます。

黄疸が強く出ている(総ビリルビン4以上)ときや血液検査の
数値が高いときは、最低でも1ヶ月の入院が必要となります。

 

〇安静

肝機能の回復には安静が何より重要です。

安静にすると、肝臓に流れる血液量が多くなります。

血液量が増えると、酸素や栄養素が十分に運ばれるため、
肝細胞の再生や修復が促進されます。

 

〇食事療法

食欲がないときには、消化のよい淡泊な食事を摂取します。

栄養不足は、点滴で補います。

食欲がでてきたときには、高エネルギー、高タンパクの食事に
切り替わります。

 

〇薬物療法

A型肝炎ウイルスを直接破壊する薬はありません。

嘔吐や下痢、食欲不振のときには、点滴で水分や栄養を
補うなど、症状に応じて薬が投与されます。

 

退院後の療養

A型急性肝炎は、通常であれば2~3ヶ月で治癒します。

退院後は、引き続き自宅で療養します。

一般的には、3ヶ月ほどで社会復帰できます。

 

自宅療養中は、体重に注意することが重要です。

A型急性肝炎には、高エネルギー、高タンパクの食事が
中心ですが、摂取カロリーに注意しないと、肥満に
つながります。

高タンパクの食事は、脂肪分の少ない植物性のものを
中心にしましょう。

 

A型肝炎ウイルスの予防法

手洗いを小まめにおこないましょう。

生水、生ものに注意します。

衛生環境の悪い地域に出向くときには、とくに注意が必要です。

そのような地域に出向く場合は、ワクチン接種がお勧めです。

 

A型肝炎ワクチンの予防接種

A型肝炎ワクチンは、HA抗体(A型肝炎ウイルス抗体)を
保有していない人が対象です。

発展途上国に1ヶ月以上滞在する人は、予防接種をして免疫を
つけておくことが望ましいです。

 

A型肝炎抗体検査

ワクチンを接種する前に、A型肝炎の抗体検査をおこないます。

抗体検査の結果が出るまでに1~2日かかります。

 

抗体検査は、保険適応外です。

1500~2000円の費用がかかります。

 

(国内産)A型肝炎ワクチン予防接種

ワクチンは3回接種します。

2回目は、1回目の接種から2~4週間後に、3回目の接種は、
6ヶ月後におこないます。

0.5mlの皮下または筋肉内注射です。

予防接種は保険適応外です。

6000円程度の費用がかかります。

 

(国内産)A型肝炎ワクチン効果

抗体持続時間は、3回接種後約5年です。

1回接種すると、約2週間後に抗体がつきます。

 

A型肝炎ワクチンの副作用

安全性が非常に高いワクチンですが、稀に、

注射部位痛みや腫れ、

蕁麻疹、

倦怠感、

筋肉痛

などが現れることがあります。

 

予防接種については、下記の記事を参考にしてください。

「予防接種の基礎知識!任意と定期、ワクチンの種類は?赤ちゃんの発熱などの副作用は?」

 

まとめ

なによりもまず予防です。

予防接種のような積極的な予防のほか、

用便後、調理の前、食事の前に、十分な手洗いと消毒を行う。

生水は飲まない。

よく加熱した食品を食べる。

などの、日常でも注意しましょう。

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