肝硬変の原因は?末期の症状や治療は?

a 肝硬変とは、肝細胞が破壊されて、肝臓が
硬くなってしまう疾病です。

慢性肝炎が長期間継続した後に発症することが多いです。

 

ウイルス感染やアルコールなどによってダメージを受けた肝臓は、
元通りに修復しようとします。

そのとき、「繊維」が増加します。

線維とはコラーゲンというタンパク質です。

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線維は肝臓全体に拡がるため、肝臓は凹凸のある歪な岩のように
委縮変性し、硬くなってしまいます。

 

肝臓が硬化、委縮変性すると、

「門脈の循環障害」

を引き起こします。

 

門脈の働き

門脈とは、腎臓、小腸、大腸、膵臓、脾臓からの静脈血が
集まるところです。

 

集められた静脈血は肝臓に送られます。

肝臓では、栄養分が全身の組織に過剰に行きわたらないよう、
また有害物質が全身に廻らないよう、代謝処理や解毒を
おこないます。

 

処理された血液は下大静脈を通り、心臓に戻ります。

 

ところが、肝臓の硬化や委縮変性によって、門脈の循環に
障害をきたすと、血液はスムーズに心臓に戻ることが
できなくなります。

門脈を通過できない血液は、他の静脈へ迂回するため、
食道、直腸下部、腹壁の静脈が膨れ上がります。

その結果、静脈瘤が出来たり、門脈の圧が高まって
腹水が溜まってしまいます。

 

また、肝臓を通過できない血液は、解毒や代謝処理が
出来ません。

アンモニアなどの毒性のある物質が解毒されないまま脳に
到達すると、肝性脳症を引き起こしてしまいます。

 

肝硬変の原因

日本では、肝硬変の約70%は、C型肝炎ウイルスが原因です。

C型慢性肝炎を患っている人の約40%が、C型肝炎ウイルスに
感染して、20~30年経つと、肝硬変に移行します。

さらに、そのうちの70~80%の人が、約5年後には、
肝硬変から肝臓癌に進展してしまいます。

 

B型肝炎ウイルスが原因の肝硬変は、全体の約10%程度です。

 

アルコールが原因の肝硬変は全体の10%強を占めており、
増加傾向にあります。

 

その他、

自己免疫性肝炎、

原発性胆汁性肝硬変、

非アルコール性脂肪性肝炎、

ヘモクロマトーシス、

ウイルソン病

などが原因で発症します。

 

肝硬変の症状

初期症状

初期症状としては、

食欲不振、

全身倦怠感

など、慢性肝炎のときとほぼ同じで、ほとんど自覚症状が
ありません。

人によっては、体重の減少がみられることがあります。

 

中期症状

初期症状ではほとんど自覚症状がでませんが、
その後、

月経異常



手掌紅斑(手のひらが赤くなる)、

クモ状血管腫(首筋、胸、肩、腕の付け根などに出現する赤い斑点)

がみられます。

 

そのほか、

男性は女性ホルモンが多くなるため睾丸が小さくなります。

病気の進行とともに、黄疸や浮腫みが現れ、腹水が溜まります。

臍の周りの静脈が太くなります(腹壁静脈拡張)。

羽ばたき振戦(鳥の羽根のように手が震える)、

鼻血、

歯茎からの出血

などがみられます。

 

末期

肝硬変は重症化すると、肝性脳症を引き起こし意識障害が生じます。

食道動脈瘤が破裂して吐血したり、生命に関わる危険な状態に
陥ることもあります。

肝細胞癌を合併することも少なくありません。

 
肝性脳症
肝性脳症は意識障害が主な症状です。

気分にムラがでる、異常行動をするなど、一見肝硬変とは
関係ないような症状が現れる場合があります。

また、昏睡状態などの症状が現れる場合もあります。

 
肝性昏睡
肝性脳症が原因の、昏睡状態になります。

基本的に肝性脳症の昏睡度は5段階に分類されています。

昏睡度症状
昏睡度 1昼夜睡眠覚醒サイクルの逆転

興奮と抑うつ

だらしなさを気にしない
など
昏睡度 2軽い傾眠状態
物を置いた場所や時間が分からないなどの意識障害
羽ばたき振戦
など
昏睡度 3嗜眠状態(過眠状態など)
極度の怯え
興奮状態
など
昏睡度 4意識を消失し昏睡に至るものの、痛みや刺激に対する反応は見られる
昏睡度 5痛みや刺激に対する反応が見られない深昏に至る


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肝硬変の検査

血液検査や画像検査をおこないます。

 

血液検査

〇アルブミン値
アルブミンは肝細胞のみでつくられるタンパク質です。

アルブミンの基準値は、3.8~5.3g/dLです。

肝機能が低下すると、アルブミン値は3.7g/dL以下に
低下します。

 
〇血小板値
血小板は「肝臓の線維化」の指標になります。

血小板の基準値は、14万~34万/μLです。

血小板が14万/μL未満の場合は、肝臓が線維化している
疑いがあります。

 
〇コリンエステラーゼ
コリンエステラーゼは、肝臓でつくられるタンパク質です。

肝臓の機能低下を診断する指標になります。

コリンエステラーゼの基準値は、

男性が250~500U/L、

女性が200~450U/L

です。

肝硬変を患うと、コリンエステラーゼ値は低下します。

 
〇プロトロンビン時間
血液が凝固する時間を測定します。

肝硬変を発症すると血液凝固因子が低下するため、
プロトロンビン時間が長くなります。

 
〇血中アンモニア濃度
肝硬変により肝機能が低下すると、肝臓での
分解・解毒処理能力も低下するため、血液中にアンモニアが
増加します。

血中アンモニアの基準値は、30~86μg/dLです。

 
〇総ビリルビン
総ビリルビンの数値が1.3mg/dL以上の場合は、
肝臓疾患が疑われます。

総ビリルビンの基準値は、0.2~1.2mg/dLです。

慢性肝炎や初期の肝硬変では、総ビリルビン値に
目立った上昇はみられませんが、肝硬変が進展するとともに
数値は上昇していきます。

 

画像検査

〇腹部超音波
腹水や脾臓腫大の有無を腹部超音波で確認します。

肝硬変が進行していると、肝臓表面の凹凸が明確になります。

肝硬変の三大死因(肝不全、静脈瘤、消化管出血)などの
合併症の有無を調べます。

 
〇腹部CTスキャン
超音波と同様、腹水や脾臓腫大、肝硬変の三大死因
(肝不全、静脈瘤、消化管出血)の合併症の有無を確認します。

 
〇腹腔鏡
腹腔鏡を用いて、肉眼で肝臓を観察します。

肝不全、静脈瘤、消化管出血など合併症の有無を確認します。

 
〇肝生検
肝臓の一部を削り取り、顕微鏡詳しく調べ、診断します。

 

肝硬変の治療

肝臓は、再生能力の高い臓器です。

初期の段階であれば、ウイルスなどの原因となるものを
排除すれば、治癒することもあります。

しかし、症状が進行している場合は、元どおりに戻すことは
大変難しいです。

 

薬物療法

黄疸や腹水が溜まった状態になると、入院治療が必要です。

症状によって治療法は異なりますが、肝機能の炎症を抑える薬や
肝機能を安定させる薬※、腹水が溜まっている場合は利尿剤や
タンパク製剤を用いて、改善を試みます。

※肝硬変になると、バリン、ロイシン、イソロイシンなどの
アミノ酸が低下するため、その補充に薬が投与されます。

 

肝移植

黄疸や腹水の改善がみられない場合は、肝移植を
おこなうことがあります。

 

食道静脈瘤の処置

肝硬変が原因で食道静脈瘤が発現することがあります。

「食道動脈瘤に赤い斑点」は、危険サインです。

赤い斑点は、まもなく静脈瘤が破裂する可能性が高いことを
示します。

食道静脈瘤の破裂を回避するために、内視鏡を用いて、静脈瘤を
輪ゴムで結紮するか、静脈瘤の中に硬化剤を注入して
固めてしまいます。

静脈瘤の再発率は高いため、定期的に検査を受ける必要が
あります。

 

自宅でのケア

バランスのよい食事を心がけ、過労にならないようにからだを
労わることが大切です。

腹水や浮腫みが生じているときには、塩分を控え、
安静にしましょう。

 

〇食生活

バランスのとれた食事をとりましょう。

タンパク質は動物性より植物性のものを多くとります。

 

〇排便リズム

排便のリズムを整えましょう。

食物繊維の豊富な食品摂取を心がけ、便秘に
ならないようにします。

便秘になるとタンパク質が腸内に長く留まるので、アンモニアを
発生させてしまい、肝性昏睡を引き起こす可能性が高くなります。

 

〇禁酒

お酒はNGです。

 

〇運動

激しい運動は避けてください。

ストレッチ体操など軽めの運動にとどめます。

 

〇休養

疲労は禁物です。

昼寝やごろ寝など、からだを休める習慣をつけましょう。

 

〇手洗い

感染症に罹らないよう、手洗いやうがいを励行しましょう。

 

まとめ

2014年7月3日に、アントニオ猪木さんのモノマネで有名な
春一番さんが、肝硬変で47歳の若さで亡くなりました。

肝硬変は自覚症状がない場合が多く、気づいた時には
遅いケースもあります。

日頃からC型やB型肝炎ウイルスのほか、アルコールが原因で
発症するケースがここ最近増加しています。

普段の生活から飲みすぎには気を付けて、健康的な生活を
意識しましょう。

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