劇症肝炎の症状と原因は?死亡率や治療方法は?

1206037 劇症肝炎とは、急性肝炎が悪化したものです。

急性肝炎が発症して8週間以内に肝細胞が急激に壊死し、
進行性の黄疸や、肝性脳症など肝不全症状に陥ります。

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劇症肝炎を発症すると、約70%の人が命をおとしてしまうほど、
死亡率の高い疾患です。

日本では、毎年400人くらいの人が発症しています。

回復がみられても、肝硬変に移行する可能性が高くなるため、
適切な治療を続ける必要性があります。

 

劇症肝炎の原因

劇症肝炎は、あらゆる年齢層に発症します。

 

ウイルス性は全体の約45%を占めています。

中でも、HBVキャリア(B型肝炎ウイルス持続感染者)の人の
発症が最も多く、全体の約40%を占めています。

 

最近では、薬物治療(肝臓病以外)を受けていた人の発症率
(全体の約15%)も高くなっています。

自己免疫性は約10%、残りの約30%は原因不明です。

 

劇症肝炎の症状

全身倦怠感、

吐き気、

食欲不振

など急性肝炎と同じ症状が続き、黄疸が徐々に
強くなってきます。

症状が現れてから8週間以内に、肝性脳症に陥ります。

 

肝性脳症は、肝硬変や劇症肝炎などの肝障害が原因で生じる
意識障害を中心とした精神神経症状です。

肝性昏睡または、門脈体循環性脳障害とも呼ばれています。

 

肝性脳症の昏睡度

肝性脳症の昏睡度症状
Ⅰ度睡眠リズムが逆転します。周囲に対して無関心になります。
Ⅱ度傾眠状態になりますが、呼びかけには応じます。
計算ができなくなったり、見当識(年月、時刻など基本的な状況を把握する)の障害が現れます。
黄疸が現れます。
羽ばたき振戦(手が鳥のように震える)が起こります。
Ⅲ度外的刺激には反応して目覚めますが、ほとんど傾眠状態にあります。
興奮状態やせん妄状態(軽度~中等度の意識障害のときに現れる幻覚や錯覚、異常行動)に陥り、反抗的になります。
Ⅳ度痛みに対する刺激反応はありますが、完全な昏睡状態に陥ります。
Ⅴ度痛み刺激にも全く反応しなくなり、深昏睡におちいります。


 

劇症肝炎の診断基準

「全身倦怠感や食欲不振などの症状が現れて8週間以内に、
プロトロンビン時間※が40%以下に低下し、昏睡Ⅱ度以上の
肝性脳症を生じる肝炎」の場合、劇症肝炎と診断されます。

プロトロンビン時間とは、血液が凝固する時間です。

肝臓に障害を受けると血液凝固因子が低下するため、
プロトロンビン時間が長くなります。

 

劇症肝炎の治療

劇症肝炎は難治度の高い病気です。

何らかの症状が現れたときには、早急に肝臓専門の医療機関で、
適切な治療を受けることが重要です。

 

劇症肝炎は、

急性型(初期症状から肝性脳症が現れるまでの期間が10日以内)



亜急性型(初期症状から肝性脳症が現れるまでの期間が11日以降)

に分類されます。

 

救命率は、急性期のほうが高いです。

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肝性脳症の前段階における治療

原因が「B型肝炎ウイルスの感染」の場合、
核酸アナログ製剤療法インターフェロン療法をおこないます。

インターフェロン療法については、下記の記事を参照してください。

「インターフェロン治療とは?副作用と医療費助成後の費用は?」
原因が「自己免疫性肝炎や薬物アレルギー」の場合は、
ステロイドの点滴(肝細胞再生を促す薬)を徹底的に
おこないます。

 

劇症肝炎が発症している場合の治療

昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症を併発している場合は、
人工肝補助療法が開始されます。

 

人工肝補助療法

血漿交換と血液ろ過透析を組み合わせておこないます。

血漿交換により、タンパク結合性毒性物質を除去し、
凝固因子を補充します。

血液ろ過透析により、毒性物質の除去をおこないます。

 

人工肝補助療法によって肝機能が回復してくると、肝臓は
再生能力の高い臓器なので、救命も可能となります。

救命された場合は、劇症肝炎は治癒しますが、肝硬変になる
可能性もあるので、定期的に受診することが望ましいです。

 

肝移植

人工肝補助療法をおこなっても、肝臓の機能が回復しない場合は、
肝移植をおこないます。

肝移植には、近親者の肝臓の一部を移植する場合と、脳死者からの
肝臓を移植する場合があります。

 

肝移植によって救命された場合は、拒絶反応が起こらないよう、
免疫抑制薬を飲み続ける必要があります。

 

劇症肝炎を発症する前にできること、予防

HBVキャリア(B型肝炎ウイルス持続感染者)の人は、
黄疸がみられたり、尿の色が茶褐色に変色するなど、
気になる症状が現れたら、速やかに医療機関で受診しましょう。

早期受診は、救命につながります。

 

肝臓以外の病気にかかったときの注意事項

HBVキャリアの人が肝臓以外の病気を患ったときは、必ず
治療前にキャリアであることを医師に告げてください。

キャリアの人に免疫抑制薬や抗癌薬などが投与されると、
劇症肝炎を発症する危険性があります。

 

医療費の助成について

劇症肝炎は、平成27年度より、医療費助成制度対象外に
なりました。

平成26年12月31日までに認定されている人は、
平成27年以降も医療費の助成を受けることができます。

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